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  • 1月28日(木) 出席・資料管理委員会卓話

    講師紹介:出席・資料管理委員会 名川 誠 副委員長

     

    講師紹介

     

    本日、ゲスト卓話をいただく杉本 正和 様でございますが、2009年1月にデンソーエレクトロニクスの社長として千歳に来られ、その後、現在の㈱デンソー北海道に会社名を変更し、昨年、社長を退任されて顧問に就任されております。そして、皆さんご存知の通り、千歳RCで約1年間、会員としてご活躍されておりました。今のお仕事は、北海道ものづくり産業アドバイザーだけではなく、中小企業基盤整備機構北海道本部プロジェクトマネージャー、北海道自動車産業集積促進協議会特別顧問、北海道機械工業会副会長、北海道電気電子工業クラブ代表幹事など数々の肩書をお持ちになっており、ものづくりにかなり基盤をおいたお仕事をなさっております。本日は「北海道でのものづくり」と銘打ってお話を聞かせていただくことになりました。ご見識の広い杉本様ですので、単にものづくりだけではなく、最近の色々なご活躍についてもお聞かせいただけるものと期待しております。それではよろしくお願い申し上げます

     

    ゲスト卓話講師:㈱デンソー北海道 顧問 杉本 正和 様(前千歳RC会員)

     

    卓話

     

    皆さん、こんにちは。大変ご無沙汰しております。千歳RCでは約1年間の会員でしたので去年の会員名簿にも今年の会員名簿にも載っていないという変な会員でございました(笑)。昨年の7月から約半年間、札幌に居を構えて色々な事をやっております。毎日道庁に通っているのですか、とよく聞かれますが、ずっと道庁に居る訳ではなく、道庁では30分~1時間の打ち合わせに行く程度ですし、千歳の会社には月に3~4回顔を出す位です。では、その他は何をしているかといいますと、先ほど名川さんからご紹介がありました、中小企業基盤整備機構の仕事です。道庁関係の仕事でございますが、北海道へ本州企業を誘致したり、北海道の中小企業を本州にPRしたりで、道庁には顔を出さずに、本州のあちらこちらを飛び回っております。中小企業基盤整備機構では道内の中小企業の支援、お手伝いをしています。北海道に来て7年になりますので、企業誘致の際には、どうして北海道に来たのか、北海道はどうだったのか、といったところも紹介しています。そして、中小企業基盤整備機構では色々な事をやっております。本日は限られたお時間ですので、企業誘致活動そして中小企業基盤整備機構での活動内容を抜粋して説明させていただきます。

     

    ~テーマ「北海道でのものづくり」~

     

    ◇会社設立の背景

     

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    ※当日のスクリーンショットです。クリックしてご覧下さい。

     

    まずは会社の紹介から始めます。デンソーという会社ですが、企業内容を紹介しなくても良いのは名古屋だけです。会社の規模の割には有名じゃないというのがその理由ですが、以前100円ショップのダイソーと間違えられた事もありました。(笑)どうして北海道に来たかと申しますと、自動車のエレクトロニクス化が進んできた事からその規模を拡大してきた訳ですが、愛知県では人の採用が出来なくなってきたものですから、海外を含めて色々と調査した結果、千歳に決めました。その経過をお話します。

     

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    2006年12月に5・6人で長靴を履いて北海道に調査に来ました。千歳の他に苫小牧・石狩・夕張にも行き、色々な工業団地を視察しました。先ほどもお話しましたが、私たちは優秀な人が欲しいというのが最大の目的で視察をしていました。今だから言えますが、当初は九州にしようと思っていました。私がデンソーに入る前にブリヂストンという所で福岡にいて、本当に良い所だったものですから、そう思っていました。ですが、九州も色々な会社があり、人材採用が難しい状況だったのです。(当時北海道の求人倍率は0.61でした。)

     

    そういう状況もあり、会社のトップに「北海道へ行って欲しい」と言われました。札幌や網走にはテストコースなど拠点もあった事から北海道の事は、ある程度理解されていた様でした。でも私はそれでも九州が良かった。(笑)北海道は何といっても雪が降ります。それまで来道した事が無かったものですから、その中で生産活動が出来るのか、という不安があったんです。先述の調査の時には雪が降っていた時期でした。でも、想像していた程のデメリットじゃなかったんです。既に千歳市に拠点を置いていらしたミツミ電機さんから千歳の良さを伺ったという事もあって、私の中では千歳市にしようと決めました。思い返せば、冬の状況を見られて本当に良かったと思っています。

     

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    ※社員の出身別の分布図や新拠点選定に関する自己評価、災害発生率などのデータ(上記写真を参照ください。)を会社に上げ、北海道の候補地の中から千歳市へ新拠点を設置する事が決まりました。

     

    ◇千歳でのものづくりについて

     

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    先ほども申し上げましたが、雪が思ったよりも少なく、夏が涼しい事もありますが、何より素晴らしいと思うのはそのフレンドリーさです。北海道はサラリーマンが2度泣く所と言われますが、これは北海道へ、という話になるとそれが嫌で1度泣き、3・4年北海道にいた後に、東京などに戻る事になるとそれが嫌になり、また泣くという事です。私も今では永住という訳にはいきませんが、出来るだけ北海道に居たいと思っています。

     

    次にものづくりについてです。千歳では地下水でやっています。愛知は工業用水ですが地震になったりすると全然ダメです。次に雪ですが、愛知では3cm雪が降っただけでも交通網が乱れ、社員が会社に来れなくなる事も年に何回かあったんですが、北海道では私が居た7・8シーズン、遅刻者が0でした。次に災害の少なさも多い所と比べると1/100と大変少ないです。その他、千歳は除雪の迅速さや企業誘致に対する熱心さは北海道随一ですし、交通網がしっかり整備されている事や職員の通勤時間が30分圏内という方が80%になっている点なども強みです。人材に関しても99%が地元採用なのですが、本当に優秀な人材が揃っています。そういったお話を踏まえて、道外企業には「是非冬に見に来てください」とお話しています。

     

    ◇北海道のものづくりに対して思うこと

     

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    次に、これは道外ではお話しない事です。まず、とにかく北海道の良さを知らない方が道民を含めて多いのではないでしょうか。その証拠に千歳市が道外企業1万社に進出先として可能性がある地域はどこでしょうか、というアンケートを取ると、北海道はあの震災の後でも2%しか可能性が無いという回答となりました。まだまだ知られていないという典型だと思います。私もそうだったんですが、まずは雪で大変だというイメージを払拭させる事です。道内各市町村が連携して行動してはどうでしょうか。その他、北海道に対するイメージアップや女性の積極的な採用、子供たちの学力増強などが今後必要だと思います。最後に道民性についてです。私の座右の書として札幌商工会議所の高向 巖 会頭が書かれた「北海道経済の針路」という本があります。ここに色々な事が書かれているのですが、もっとしたたかに経済原理に則って商売をするべきではないでしょうか。

     

    ◇現在行っていること

     

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    ※中小企業基盤整備機構の紹介資料です。

     

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    ※下記ジェグテック・EV車についての参考資料です。

     

    私が現在行っている中小企業基盤整備機構の紹介です。私が行っているのは主に経営支援業務です。人材育成や共済関係も行っています。特に「小規模企業共済制度」は税制面でも大きなメリットがあり、お勧めです。工場診断(無料)やジェグテック(大手企業と地元中小企業のマッチングサイト)、道内中小企業8社で現在手掛けている北海道発EV車(寒冷地仕様・四駆・原付免許で運転可)の研究開発などもお手伝いしています。どうかご活用下さい。

     

    最後に、千歳市は経済力指数が全道一で、全道一若いマチです。そして新千歳空港があり、自衛隊も有しています。非常に恵まれたマチです。市のHPを見ますとこの人口減少の世にあって大幅な人口増を目標にされている所は千歳市しかないんじゃないかと思います。2040年には消滅すると言われている地域がある中で他市町村はマチづくりを本当に一生懸命やっています。私も今後、北海道や千歳をもっともっとPRしていきたいと思います。

     

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    ※沼田会長より本日の卓話に対する謝辞と記念品が贈られました。杉本様、お忙しい中ご講演いただき、ありがとうございました。