• 2月9日(木) 卓話

    ロータリー情報・定款細則副委員長 佐々木 金治郎

     皆さん、こんにちは。本日は、私達クラブの名誉会員である山口市長にお越しいただまして、卓話をいただきます。市長には、たいへんお忙しい中、時間を割いていただきました。

     また、一昨日市長を囲む会が当ホテルで、多くの方の出席のもとに盛大に行われたところです。平成24年度の予算の骨格も新聞に載っておりましたが、私達市民としては頼れる予算編成であったと思います。このようなことも含めまして、本日卓話をいただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

    千歳市長 山口 幸太郎(名誉会員)

    みんなで『夢、現実』~千歳のまちづくり 企業誘致の推進

     皆さん、こんにちは。今日はお招きいただき、ありがとうございます。私も名誉会員として籍を置かしていただきまして、年数回参加させていただいていますが、ロータリークラブの皆さん方は、各界で活躍されている方々であり、職業奉仕を通じて、まちづくりにご貢献いただき、心から感謝申し上げます。

     また、中山さんが千歳商工会議所副会頭になられ、経済界を代表されるということで、たいへん嬉しいかぎりです。

     3月11日に、「私達は忘れない東日本大震災」のチャリティの集いをしていただけるというとで、たいへん嬉しいことです。市長として厚くお礼申し上げます。

     今日は、企業誘致の推進にテーマを絞ってお話をします。今企業誘致を進めておりまして、全国的にリスク分散という視点からも、そして経済動向が低迷しており、円高・デフレとういうことも作用して、企業が移転を検討している時期にあります。こうゆうことから、企業誘致に力を入れているところでありますが、大きな壁があり、それは“雪”なんです。 “雪”は邪魔じゃないと説明しても、本州の企業の方は“雪”は邪魔だ、冬はヤダというのが、頭にプロットされているのが現実です。そこで、千歳に立地されている本州企業の方々の口を通じて、「千歳に進出したけど、雪は邪魔じゃないですよ」という話をしていただくのが一番説得力あるということで、そうゆう戦略をとってきています。そういう意味で、ロータリークラブの皆さんは、いろいろな業界ともつながりが深く、立地企業の方とも親交が深く、そしてロータリークラブ同士の交流のあり、発信力が強い方々なので、企業立地で使用している資料で説明しますので、是非皆さん方から口利きをしていただければありがたいというのが、本日の趣旨です。

     今日は120回目の出前講座になりますが、実は第1回目も平成15年7月31日の千歳RCの卓話でした。年間15回くらいやってきましたが、記念すべき120回目となりました。

     では、本題に入りますが、千歳市の特徴ということで、空港のあるまち、自衛隊がいるまち、支笏湖があるまち、そして近年では工業が集積したまち、という4つの大きな特色があります。

     人口は今年1月1日現在94,368人、面積は横に長い約600㎡、平均年齢は41.3歳と全道一若いまちです。5年前から2歳ほど高齢化してきましたが、高齢化率は、北海道が約22%ですので、17.5%は驚異的数値とご認識ください。

     一年一字ということで、職員の仕事始めの時に一字を示して、目標を漢字に託しておりますが、今年は「進」という字を出しました。昨年から始まりました第6期総合計画、58項目のマニフェストを遅滞なく進めるということ、そして市民の皆さんには、大震災を踏まえて、新しい国づくりのために一歩でも二歩でも前進しようという気持ちを込めました。理念は「市民協働」で、手法は「選択と集中による施策の重点化」ということで進めることで一年の計を立てたところです。

     千歳の人口の変遷は、右肩上がりに増えているところです。昨年は5百数十人の増ですが、他が軒並み減少ですら、相当の伸び率といえ、室蘭市を抜いて道内第10位になりました。国の人口推計では25年後には北海道の人口は21%減るという試算になっていますが、第6期総合計画では、平成32年をピークに人口が減少し、10年後の人口を95,000人と推計しました。ただし、自衛隊の削減は加味しておりません。そして、大事なポイントですが、市街地をこれ以上拡大しないとしております。今、二つ三つ区画整備していますが、これを最後に向こう10年間は新しい宅地は造らないことにしています。ただし、人口が急に1万人増えても保留地がありますので、困ることはありません。一方、工業系はどれだけの企業が来られても良いように縛りをつけないこととしています。

     国の推計でも千歳市の人口はあまり減少しないことになっていますが、千歳市のまちづくりを進めていく上で、人口が減少すると、たいへんなことになるという理由として、①生産年齢人口の減少②市の歳入の減少③都市間の人口の移動(大都市への人口の集中)が起きるということです。私たちは、大都市に飲み込まれないように、都市機能を整備し、市民生活のサービスの水準を維持していかなければ、市民サービスの優れたところに移ってしまう、または人を呼び込めないことになります。これは重要な要素ということで、2つのタスクフォースチームを作り、①道の駅再整備②人口の定住促進、若い人も参画させて、取り組んでいます。

     企業誘致は、私が市長になってからこれまで55社になりますが、平成22年以降はリーマンショックで経済が低迷した影響で4社、6社とがくんと落ちましたが、今年は6社の企業誘致ができました。ドックゾーン、佐藤水産鮨の工場、ふらのバス、ハーバー研究所のコールセンター、宗谷バス、そして一番大きいのが神戸に本社のある食品会社の大手であるフジッコが第4工業団地に誘致することができました。昆布製品のほか、千歳工場では豆類とカスビ海ヨーグルトを重点的に製造する予定です。

     千歳市独自に企業誘致に伴う経済波及効果を試算しましたところ、直接、波及効果を合わせて2,514億円となりました。これまでの新規の雇用数は49社で1,317人となっています。電子部品やその組み立て関係の工場では、女子従業員の申込みが少ないという傾向にあります。本当は、コンピューターで監視したり細かい作業なので、女性に向いている仕事ですが、なかなか集まらないそうです。

     そこで昨年、リスク分散と円高・デフレの経済動向から、海外移転を検討しているのではないかということで、10,000社にアンケート調査をしました。企業の抱えている課題は、①敷地面積が狭い②地震・津波等の自然災害リスクあり③電力供給・節電に懸念あり、という3つが上位を占めました。

     震災後、事業見直しを「行った」と「検討中」を合わせて33%となり、進出先として考えているところは、関東、関西、海外、東海の順で大多数を占め、北海道はわずか1.7%となっており、これは意外な結果でした。なぜかというと、“雪”なんです。リーマンシュック以前は、企業は人が集まらないということで、人を求めて九州か北海道を検討され、ほとんどが九州進出だった。デンソーさんもそうでしたが、いろんな角度から検討した結果、北海道に立地し、非常に良かったと言っていただいています。そして、“千歳に着てよかった”と全国に向けてセールスマンになっていただています。

     事業所を新設する場合に重視する点として、①取引先との距離②交通インフラの充実③人材・労働力確保の容易さが挙げられ、②と③は千歳市がお応えできる点です。

     全国にアピールするためにいくつか行きましたが、代表的なものとして、昨年9月27日に日経ホールで、データセンターを誘致したいということで講演をしました。また、12月15日には、大阪で北海道が開催した「リスク分散の適地」北海道立地環境セミナーで企業の皆さんにPRをしました。では、その際に説明した内容を紹介いたします。

     提案のポイントは、①冷涼な気候、きれいで乾いた空気②少ない地震③東京への近接性④電力の二重化⑤助成制度の5点です。

    ①冷涼な気候ということで、本州大都市と比較し平均気温が約10℃低く軽井沢と同じカーブになっており、空調費に大きな影響があります。電力エネルギー換算で冷房・暖房合わせると東京の約3割省エネになります。降雪量を見ると、千歳市は道内でも雪の少ない地域であることをデータで示しました。

    ②少ない地震ということで、大正15年の観測以来震度5以上の地震はなく、震度3以上も20回しかありません。また、海に面していないので、津波・塩害の心配もありません。台風も少なく、雷も本州に比べ少ないことをPRしています。また、臨空工業団地は航空航路から外れていることもPRしております。

     それから、市の三方に自衛隊駐屯地があるということで、平成19年の雪害の事例を示して、いざという災害時には自衛隊による救援のため出動は極めて迅速に可能ということを言っております。自衛隊の出動要請のためには、①公共性があること②緊急性があること③代替性がないことの3つが条件となりますが、災害の時はたいへん大きな力となることをPRしました。

    ③東京への近接性ということで、羽田空港とは1日53往復しており、朝6:30に都内で出て千歳での10時の会議に間に合うという近接性があります。市内のアクセスも臨空工業団地へは、空港またはJR千歳駅から車で10分で行けます。物流に関しても、付加価値のあるものは航空便でも採算が取れ、アクセスは非常に重要な要素です。

    ④電力の二重化ということで、臨空工業団地へは、特別高圧電力が2系統あります。光回線も10Gbpsが2系統あり、料金的な課題がないとは言いませんが、東京の大手町と同じ環境になっています。

    ⑤助成制度については、千歳市が特に勝っているわけではありません。企業誘致する場合、北海道は石狩湾新港と苫東という直轄地があるので、北海道との競合となります。他県では県が助成しながら企業誘致をしているところが多く、助成額が1桁違うところもあります。うちの助成制度の特徴としては、増設時に何回でも利用が可能ということがあります。

     また、近郊に理工系大学・高専として千歳科学技術大学などがあり、技術系学生を集めやすいということがあります。

     都市機能としては、人口10万を越える機能があり、非常に高いことを紹介しています。

     立地企業には、電子・デバイス企業、食品・飲料、医薬品関連など240社が立地しており、道内の内陸型では屈指の工業団地となっております。

     以上、説明させていただきましたが、まちの発展のために必要なのは、持続可能な財政も重要なことです。「入るを量りて出ずるを制す」ということで、いろいろ人件費も含め経費節減していますが、出ずるを制するあまり活力を削いでしまう面もあり、活力を削がないようにしながら効率を高めていくことが重要です。入るを量るためには、企業誘致を進めていきながら、人口増を図り、生活の層を厚くすることで、そうすることでまちの活力が出ているわけです。

     工場や技術がまだ北海道に蓄積されていないので、将来的にはそれを目指していますが、今企業の皆さんには「2次下請けの関連会社を誘致して下さい」とお願いをしています。その企業がやがて地場企業となっていただいて裾野が広がっていくので、下請企業を連れてきたり、紹介してもらうことをやっています。

     千歳には工業クラブがあり、約100社が加入していますが、代表幹事はキリンビールの工場長にやっていただいていますが、リーマンショック以降このような団体は縮小傾向にある中、加入企業が増えており、製造業と物流というように他業種がコラボレーションをやっていただいています。一例を紹介しますと、「おいしさ千歳産」として、千歳で作っているビールとポテトチップスとかハムとかを組み合わせ広めていただいています。異業種交流には、千歳科学技術大学も応援していただいており、このような固まりで魅力を増しているので、加入企業が増えていると思います。

     ロータリークラブの皆さんは、職業奉仕ということで社会に関わっており、その存在自体がまちづくりに役立っているわけで、どうかこれからもロータリークラブの活動を通じてご支援をいただきたいと思います。

     今回の予算について触れますと、いくつかありますがそのうち3つの視点を申し上げます。

     一つ目は、市民サービスの充実ということで、町内会やコミュニティー活動を応援しなければならないわけで、要望に応えるようにしていきます。

     二つ目は、経済を循環させるために、事業量を確保するということで、市営住宅やコミュニティセンターなどの工事の確保にも配慮しました。

     三つ目は、将来投資として、支笏湖の泉源開発やヒメマスの資源量の確保のための孵化場の改修などもやってまいります。

     また、皆さん方からご意見を拝聴しながら進めていきたいと思っていますので、どうぞよろしくお願いいたします。ご清聴いただき、ありがとうございました。

    会長謝辞

    会長 今村 靜男

     山口市長におかれましては、忙しい中、たいへん貴重なお話をありがとうございました。私たち、地元に住んでいますと空港の便の良さに意外と気づいていないわけですが、他の所と対比してみると非常にわかりやすく、いかに利便の良いところに住んでいるのかということです。これが、当たり前と思っているので、それをPRする術を持っていないというのを、今日の話を聞き、実感しているところです。一人ひとりが、今後とも千歳の良さをPRし、人口が増えるように頑張っていきたいと思います。

     市長は当クラブの名誉会員でありますので、本日は会員卓話としてさせていただくことをご了承いただきまして、お礼の挨拶とさせていただきます。