• 3月14日(木) ロータリー情報

    ロータリー情報・定款細則委員会 委員長 佐々木 金治郎

      「ロータリーの徽章について」

     新会員がロータリークラブに入会して初めてのセレモニーが「入会式」です。会長から歯車がデザインされた「徽章(きしょう)」を襟に付けて貰って、はじめてロータリーの仲間入りの証であり、ロータリアンの象徴ともいえます。

     皆様は入会の際に頂く三種の神器の一つ「徽章」は、じっくり見たことがあるでしょうか?私自身、じっくり見たことはありません。実は、一般の会員が付けている徽章とガバナー、会長、幹事経験者が付けている徽章の色合いが違っていることに気付いていますか。しかし、三役のうちでも副会長経験者の徽章の色は変わらないのは?という疑問がありますが、今日は「徽章」についてロータリー情報とします。

    徽章の発案者は、若い彫刻家

     世界中のロータリーの組織を象徴する徽章は、1905年(明治38年)、シカゴロータリークラブ会員で彫刻家のモンタギューM・ベアが「シカゴで元気溢れる若い職業、専門職業人の新しいブループの徽章」として考案・提案ということです。最初の図柄は、馬車の車輪を素朴な形で描いていたようですが、ポール・ハリスが幾つかの試案の提案を求め、最初の徽章が誕生したということです。

     今の徽章は6代目

     現在のRIの公式徽章は、6本の軸と24個の歯、1つの楔穴(くさびあな・せっけつ)のある歯車ですが、

    1912年(明治45年)、現在の徽章の原型である「歯車」が採用。                                           1921年(大正10年)、ドルーツで開催の連合会大会で公式採択。                                                1923年(大正12年)、楔穴(くさびあな)が加えられる。                                                  1929年(昭和4年)、公式仕様が採択される。                                                                      1905年に彫刻家のモンタギューがデザインした徽章も113年の長い歴史の中で、現在の徽章は6代目です。

     ◆ロータリー徽章は、「知的財産」

     ロータリー徽章は、米国特許局の登記原簿に「奉仕団体のマーク」として登録されています。当然ですが、改造、修正などをすることは禁じられています。

     RI定款・細則には、「ロータリアンとその家族には、ロータリー徽章を着用する権利が与えられている」と規定されています。

     ◆徽章の使用制限

     徽章は、国際ロータリーはじめ、ロータリークラブ、ロータリアンの象徴ですが、クラブまたはクラブ会員といえども使用上の制限があります。

    ⑴ 商品の商標あるいは特別銘柄として使用してはならない。                                                   ⑵ 他の徽章あるいは名称と組み合わせての使用はできない。                                                      ⑶ ロータリアン個人の商業用の便箋や名刺に使用はできない。                                                ⑷ 営利を目的として使用はできない。

    当然ですが、退会などで資格喪失者は速やかに返還しなければならないこととなっています。

     ◆最後に余談を・・・

     歴史にはいろいろなことがありますが、1921年、ドルース連合会大会で公式採択され歯車に「楔穴(くさびあな)(key way)」がないことに気付いた技術者2人が“これがないと歯車が車軸からの力を伝えることができず、遊んでしまう。楔穴を付け加えてはじめて歯車は休むことなく回転する”と楔穴を加えたと言われています。

     ロータリーが世界的に動き、回転しているのは技術者2人の“楔穴”があるからと思い巡らすこともよいのではないでしょうか。