• 3月1日(木) 会員卓話

    紹介 職業奉仕委員長 大澤 雅松

     職業奉仕委員会による会員卓話「憂鬱シリーズ」の今年度第3回目です。一回目は本宮輝久会員の「市議会議長の憂鬱」、第二回目は佐々木昭会員の「市選挙管理委員会委員長の憂鬱」でした。本日は千歳市内建設業トップクラスで今年8月に創業60年を迎える中山建設株式会社の中山和朗社長に「建設業の憂鬱」についてお話をいただきます。同社は市内外の公共物件はもとより民間の物件も多数手がけています。中でも駒里農協による地産地消の大型そば店“駒そば亭”は当クラブパスト会長の武石会員が組合長を務める駒里農協が運営し、当クラブの健康委員会による移動例会の会場としてもおなじみの建物となっています。

     中山会員からお話をいただく前に“職業宣言”を朗読します。前年度から職業奉仕委員会の担当例会に於いて『職業宣言』を朗読しています。今年度も踏襲して朗読をしてまいります。何故ならば『ロータリーの綱領』第2の項目について具体的に示したものが“四つのテスト”であり“職業宣言”だからです。

    ~職業宣言~

    事業または専門職務に携わるロータリアンとして、私は以下の要請に応えんとするものである。

    1)職業は奉仕の一つの機会なりと心に銘ぜよ。

    2)職業の倫理的規範、国の法律、地域社会の道徳規準に対し、名実ともに忠実であれ。

    3)職業の品位を保ち、自ら選んだ職業において、最高度の倫理的規準を推進すべく全力を尽くせ。

    4)雇主、従業員、同僚、同業者、顧客、公衆、その他事業または専門職務上、関係をもつすべての人々に対し、ひとしく公正なるべし。

    5)社会に有用なすべての業務に対し、当然それに伴う名誉と敬意を表すべきことを知れ。

    6)自己の職業上の手腕を捧げて、青少年に機会を開き、他人からの、格別の要請にも応え、地域社会の生活の質を高めよ。

    7)広告に際し、また自己の事業または専門職務に関して、これを世に問うに当たっては、正直専一なるべし。

    8)事業または専門職務上の関係において、普通には得られない便宜ないし特典を、同僚ロータリアンに求めず、また与うることなかれ。

    会員卓話   ・・・だんご三兄弟・・・

     健康委員会副委員長 中山 和朗 パスト会長(中山建設株式会社 代表取締役)   

             

      

    ◎ 建設産業の現状と課題

    3.11の災害対策において、建設産業は大きな役割を担っています。しかし厳しい国家予算減少の中で現状を遣り繰りしているので各社は苦労しているところです。建設産業の機能の低下・疲弊(重機や人の減少等)が国の景気と連動しています。国の予算が減っているのにも係わらず、まだまだ建設産業の企業数は倍ぐらい多いのが現状です。

     北海道も業者数は減っていないが請負高は2000年1兆7千億円が2010年8千億円へと半減しています。厳しい環境を反映して建設産業の就労人口は2000年660万人から2010年500万人まで減少し、会社規模別で100人以上0.4%、50人以上1.7%と少数派で、大多数は10人未満の70.8%となっています。因みに我社は30人台で3.6%です。

           

     その中で、仕事を獲るのは競争入札で更に難しくなっています。入札に参加するにしても、取得するのも難しい建設業許可や競争参加資格等々の諸条件確保、そして仕事ごとの技術資格者の有無や工事実績も審査されます。さらには経営事項審査(経審)、納税証明、社会保険加入、自己資本額、利益率、営業年数等々の膨大な資料添付が条件となっています。また、規模別に格付けがあり、当社は建設の土木と建築がAクラスです。

     経審では諸係数を掛け合わし総合評定値(P)を算出します。P点が高い方が良好企業という括りに入りますが、昨今はそのP点が高い企業も脆弱化しています。更にY点が重要な要素を占め、500点を割り込むと危険水域です。ただし、現状はP点・Y点ともクリアーしていても倒産する時代です。それだけ建設業界は厳しい経営環境を強いられているということを理解していただきたいので触れました。

       

       

    過去、この業界では“談合”なるものが存在し、それなりのメリット・デメリットを醸成していました。中でも良い点として、国や市から地元業者に指名していただけるという地元配慮があった為、雇用の安定化が図られました。そして獲得した商い高の倍近い経済効果を地元に波及させ活性化にも寄与していました。反面、落札価格が高くなり税金の無駄使いにつなっがってしまいました。過去の暗部ですが、1996年2月の北方ジャーナルには談合のしこりが発端となって千歳建設業協会のいざこざがスクープされ記事が載っています。

          

    最後に、当社に関して触れさせていただきます。冒頭にご紹介がありましたように、当社は昭和27年創業で、今年60年目を迎えます。その他に色々な節目が重なる年で、曾祖父が北海道に来て120年で私どもが結婚40周年、私が70歳です。最初は釧路に4年間位いて、その後千歳へ来て旅館と林業を営んでいたとの事です。

     平成4年の社長就任時からは、先代の使い方と変えて社章のcAcをACCORD(調和)・CAPACITY(能力)・CHALLENGE(挑戦)をキーワードとして経営理念を掲げました。誠心誠意、人と人の信頼関係を大切に仕事を楽しくしよう、そして知識や技術を皆で高めあって切磋琢磨し地域社会に貢献しようという私の基本概念を基に今日に至っています。その中で、ISOを独自に取得しました。これは内容が分らないまま人任せにして取得しても意味がないので、社員に勉強させ何とか達成しました。そして今回の初回更新時(3年毎)は、項目も30%ほどスリム化させ、何の指摘もなくクリアーしています。これは我社がISOに適合する内容を普段から行っていた証しであると自負しております。その中の一つに“経営の近代化”と“財務体質の強化”を主眼に推移してきました。その甲斐あって、現状はお陰様で無借金経営を続けております。決済関係は千歳市で第1番目のファクタリングを活用していますので経費面及び時間の無駄をかなり省き節減効果が顕著に表れています。取引先にもメリットがあり共存共栄に役立っております。これからも更に体質強化を図り、この不況を乗り切っていきますますので、よろしくお願いします。

    最近の構造物

     武石忠俊パスト会長思い入れの“駒そば亭”(H18年)

     北栄団地18号棟(H20年)

     神内ファーム(H21年)

     東京航空局耐震改修(H22年)

     柏木川流域治水対策工事(H23年)