• 9月12日(木) 卓話

    出席・資料管理委員会 日向 祥一 委員長

    卓話(1)

    ※北海道有機農材(株)代表取締役であります、日向 祥一 出席・資料管理委員会 委員長です。以下、卓話の概要です。 

    ~食「職」と農業~

    一.最近の農業事情

     北海道では少数ですが、昨今の農業では外国からの研修生が多くなっています。逆に日本からベトナムやタイなどに1千町歩(約1000ha、300万坪)という広大な農地を耕作しに行っています。

     北海道の農業は「面積でカバー」「太陽の力が薄い」「歴史が浅い」「積算温度、気温が低い」などの特徴が挙げられます。また、本州ですら施設園芸=ガラス温室、ビニールハウスなどが多く利用されており、小さな面積から大きな収穫を得ています。中でも大葉が代表格で時間と手間と人手が掛かりますが、反収(たんしゅう)(1反:300坪)は700万円以上も上がります。他作物では3~40万で多くても100万円程度でしょうか。北海道の場合で反収2~30万円からありますが100万円を超えるものは無く、温室であっても冬という負の影響は否めません。

     また、環境・気候は毎年変わるので、農業は毎年いわゆる1年生です。例年と同じ積算温度で何時に雨が降り、雲が出てくる等が分かるのならやり易いのでしょうが、そういう訳にはいきません。日々の努力と忍耐を要する自然相手の難しい世界です。 

    二.産業としての農業

     そういった中で農業も工業と同じように通貨単位の安い東南アジア方面へ進出し、現地生産をして日本へ送り出すという事が行われています。食生活を営む上では農業があって、漁業があって成り立っていくのですから、もっと農業を見直さなくてはなりません。国の政策でも農業に関しては重要課題になっていますが、現実は数々の法律に縛られて中々良い方向へ行かないのが現状です。

     三.食の安心安全

     日本では様々な規制により、除草剤などの農薬には使えない物が多いので、安全な作物が出来ています。しかし、海外では使える所もあり、日本から農薬を輸出しているというおかしな現実があります。時には検疫から漏れて有害成分が基準値を超える作物を輸入してしまうというも起こり得ます。

     日本で生産されている物は殆ど安全に口に入れる事が出来ます。日本人は味も見た目も良くないと購入しないので、外国の物は安くても味の面や安心安全面で劣る物がある為、日本農業に軍配が上がります。美味しい物を追及する中で経費を少なくし、如何に利益を上げるか、となると難しいものがあり、食生活に関係のない農業として“花”生産へ転換する農家も増えてきました。このように発展していく農業もあれば衰退していく農業もあります。米などは少しの肥料で効率良く多くの収穫が出来、更に美味しくなるような研究がされています。

     野菜等では日本に今まで無かった物が市場で見られるようになってきました。食のグローバル化(国際化)で色々な国から色々な食物が入ってきており、味にうるさい日本人が一番美味しい物を食べているのではないかと思います。私自身、各地に出張で行く機会が多いのですが、食事に困った事はありません。良い時代になったものです。

     四.有機肥料と化学肥料

     肥料には有機肥料と化学肥料があります。有機肥料の成分は鶏糞、牛糞、油粕などを材料にしており、土壌の微生物と地温の力で発酵分解し、無機や燐酸などに変えて効力を発揮し、人にも土壌にも安心安全な物です。化学肥料は、窒素・燐酸・カリのいずれか2成分以上含み、化学反応によって製造された複合肥料を言いますが、肥料効果は即効的ですが人体・土壌の影響面には疑問が残ります。

    五.北海道有機農材(株)

     弊社は初期発酵分解済の有機肥料を販売しているので、早い段階から有効に使え、北海道から愛知県まで農家のお客さまに好評を得ております。本州方面は作付面積が狭く連作が多いので、土壌改良に有機肥料を使う所が多くなっています。また、過去に量販店などで少量単位の販売を手掛けた事もありますが、コスト面で合わないので止めています。小売はしておりませんが御入り用であれば小分けは可能ですので、ご相談下さい。

    卓話(2)