• 11月24日(木) ロータリー財団・米山記念奨学委員会卓話

    ◇講師紹介:ロータリー財団・米山記念奨学委員会 福田 武男 委員長

     

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    本日は、ポリオの大変感動的な話を、RI第2510地区ポリオプラス委員の松浦光紀様(小樽南RC)に卓話していただきます。

     

    松浦様の簡単な略歴をご紹介いたします。小樽生まれで1988年に神奈川県の三浦RCに入会しておりました。小樽に帰ってきまして2006年に小樽南RCに入会し、小樽南RCでは様々な委員長を歴任し、次年度は小樽南RC会長にご就任予定です。本日は、ポリオ撲滅の最新情報もお話しいただくことになっております。では、松浦様よろしくお願いいたします。

     

    ◇部外講師卓話: 講師 小樽南RC  国際奉仕委員会副委員長(米山奨学担当)、RI第2510地区ポリオプラス委員会委員 松浦 光紀 様

    ◇講演テーマ:「ポリオの現状と日本のポリオ」

     

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    ◇ポリオ撲滅の最新情報

    国際ロータリーは、ポリオ撲滅活動GPEI(世界ポリオ撲滅推進計画)の民間パートナーです。主要パートナーはWHO、ユニセフ、アメリカ予防疾病対策センター、国際ロータリーです。国際ロータリーは、資金や政府機関への資金支援の働き掛け、撲滅活動への社会動員、25億人以上の子供たちに予防接種を行い大きな貢献をしてきました。2014年度は、4億3千万人以上にポリオ予防接種を行いました。千歳RC様には、ポリオ撲滅活動に対し、多大なるご寄付をいただき感謝申し上げます。

     

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    ◇ポリオの現状について

    野生ポリオによる麻痺の発症は、11月2日現在、常在国のアフガニスタンは9症例、パキスタンは15症例、アウトブレークとして、ナイジェリア4症例の合計28症例です。前年同期間は51症例でしたので、約45%改善されたことになります。

     

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    特にパキスタンは、現在15症例ですが、2015年度は年間では54症例、2014年度年間は306症例でした。同国の緊急オペレーションセンターは、健康キャンプなど新しい戦略を立て、医療体制の整備を行い、ポリオ撲滅の効果を確実に上げています。ワクチン接種を受けていない子供は、2014年度は30万人に対し、201年度は3万5千人と力強い進展をしています。パキスタンでは、ポリオ撲滅に係る資金は、2016年~2018年に3億5千70万ドルを要するとの見込みが出ています。

    一方、アフリカのナイジェリアでは、2年前にポリオ発症が0になり、1年後ポリオフリーなりましたが、今年7月にポリオ1型による麻痺の幼児の報告がありました。現在は4症例(8月の発症が最新)です。

     

    ポリオには予防接種が不可欠ですが、ナイジェリア北東部では、洪水や地域の不安要素、例えば、ボコハラムによるテロなど、ポリオ監視や調査に入れないことがあり、ワクチン接種が幼児に充分に実施されていないことが考えられます。また、ポリオが発生したナイジェリア ボルノ州はカメルーンと長く国境が接し、チャド、ニジェールとも国境を接しています。ナイジェリアでは、今年3月に環境中の試料からポリオウィルスが検出されており、懸念を示していました。また麻痺が発生した幼児の遺伝子解析で数年間検出されなかったウィルスの伝播であることが判明しました。結果として、ナイジェリアでは、5年もの間、野生型ポリオウィルスが存在し続けてきたことになます。

    したがって、人道的緊急援助チームを他の国連機関、NGOなどと結成し、ナイジェリア及びチャド湖周辺諸国に対し、不活化ポリオワクチン配布活動を実施しています。

     

    紛争や複雑な緊急事態によって予防接種体制の弱体化や崩壊が生じた国が増えることで、国際的な感染が拡大する深刻なリスクが発生します。防止するためには、エボラを含め、環境の不安定な状態やその他の緊急事態によって感染が発生する地域で、定期予防接種を向上させる取り組みを継続させることが重要です。

     

    世界で最も深刻なのが、ワクチン予防が可能な疾患の一つを地球上から撲滅することに失敗した場合、その発生するリスクと回復に要する費用が莫大になることです。現在、ポリオは世界規模での感染伝播は劇的に減少し、国際的に拡大する可能性が低下しているものの、国際的な拡大が起これば、その結果と衝撃は深刻なことになります。

    因みに、日本のポリオワクチン接種率は平成24年春シーズンで67.2%です。

     

    野生型ポリオウィルスに対して予防接種体制とサーベイランスを向上させ、国際的な感染拡大の阻止及び新たな感染リスクを軽減させるために、国際協調の下での対策を続けることが重要です。

     

    ◇活動資金面について

     

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    2013年から2018年の期間、END POLIO NOWに必要とされる資金は、当初55億ドルと見積もられており、各国政府及び主要パートナーや援助団体からの寄付見込みは50億ドル強にしかならず、約5億ドル不足しておりましたが、昨年、新に15億ドルが必要であるとする試算が出ています。

     

    ◇ロータリーの寄付は次のように使われています

     

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    ワクチンの購入費、アドバイザーへの給与、監視活動のサーベイランス、社会動員、全国一斉ポリオワクチン接種の謝礼、各家庭訪問のポリオワクチン内服指導者(20ケ月で80人死亡)への謝礼、新商品や新たな取り組みを調査するボランティアへの謝礼などです。

     

    ゲイツ財団とのマッチングについてですが、私ども、国際ロータリーの寄付目標が年間3千5百万ドルに対し、ゲイツ財団からは倍の7千万ドルが上乗せされ、年間合計1億5百万ドルとなってます。5年間合計では、5億2千5百万ドルの寄付となります。

     

    ポリオ撲滅には、ワクチン接種が欠かせません。ポリオ撲滅には、多大な資金を必要とします。撲滅まであともう少しです。私たちロータリーは、ポリオ撲滅を約束しています。約束を反故にすることは、ロータリーの信用を失うことになります。威信をかけポリオ撲滅を目指して行きたいと考えております。2013年度の手続き要覧第12章、ポリオプラスには、ポリオ撲滅は国際ロータリーの特別プログラムです。他のすべてのプログラムに対して優先されます。

     

    ポリオ常在国はパキスタン、アフガニスタン、またポリオウィルスが過去2年間に確認された国は、赤道ギニア、カメルーン、ソマリア、ウクライナ、ナイジェリアです。

    このような国に移動にされるときは、ポリオワクチン接種を受けられことをお勧めいたします。更に国際予防接種証明書を保持することを勧め致します。

     

    ◇北海道のポリオ大流行について

    ※昭和35年に北海道の大夕張炭住街にて発生した、わが国最大のポリオ大流行のスライドも紹介されました。日本では1980年(昭和55年)の1例を最後にポリオが発生していないとのことです。

     

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    ◇パキスタンでのポリオ撲滅活動

    ※卓話の最後に、パキスタンでのポリオ撲滅活動を紹介するVTRが放映されました。

     

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    千歳RC様の寄付実績は、最新2年間で1万8千ドル余りご協力をいただいております。また、会員お一人30ドル、クラブ寄付1千5百ドル目標を達成いただいております。ご協力に対し深く感謝申しあげます。ポリオ撲滅活動は最後の胸付き八町に掛かっております。今後ともご協力をお願い申し上げます。

     

    ◇大西会長からの謝辞

     

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    松浦様、ポリオ撲滅の最新情報ありがとうございました。今年の5月9日の朝日新聞にポリオに関する記事が小さく載っておりました。記事の概略は、ビル&メリンダ・ゲイツ財団 がポリオ根絶に向けて、武田薬品工業へ新たなワクチン開発と製造などに380万ドル、約40億円の投資行い、5千万本以上のワクチンを製造してもらい、国際機関を通して安価に提供するという内容でした。

     

    ビル&メリンダ・ゲイツ財団 はポリオ撲滅に対し、国際ロータリー寄付額の2倍の寄付をする財団です。

     

    千歳RCでは、前年度と同様にポリオプラスの募金活動で1人当たり3,600円を会員の皆さまからいただいております。また、千歳市民納涼盆踊大会時の夜間移動例会でも街頭募金を行っており、今後も協力していきたいと思います。本日はありがとうございました。