• 5月31日(木) 会員卓話~肺の生活習慣病COPDについて

    健康委員会 委員長 長澤 邦雄

    

     5月は当クラブ「健康増進月間」、そして本日5月31日は世界禁煙デーです。健康委員会では年1回の健康講演を担当しておりまして、過年は丸山先生、浅沼先生等、そして昨年は千歳市総合保健センター長の堀本先生から北海道の喫煙率の高さ、中でも千歳市民とその女性が高いという統計結果から千歳市民の健康状況や改善策についてお話をいただきました。今回は昨年12月に会員になられました千歳市随一の内科・呼吸器科の三上先生から肺に関しての卓話をいただきます。

    健康委員会 三上 洋 会員

       

    〇肺の生活習慣病COPDについて

     千歳市は男女とも喫煙率が高い街です。10年前に千歳市で開業しましたが、COPDとは違いますが喘息患者が多いのは飛行機の排気ガスの影響かなと思っていましたが、喫煙率の高さに起因するようです。今日は生活習慣病、よく聞くのはメタボリック症候群や脂肪肝ですが、その中で肺の生活習慣病COPDというものを煙草との関係を交えてお話しします。

     COPDとは何かというと、「セキとかタンが出て呼吸が苦しくなる。ひどくなると痩せてくる」病気です。ただし、診断は難しく呼吸器の精密な検査をしないと判明しないので、診断がついているのは未だ氷山の一角です。COPDは慢性閉塞性肺疾患の略で肺気腫や慢性気管支炎が挙げられます。    

     喫煙者がすべてCOPDになるわけではなく、喫煙に対する感受性の高い喫煙者が発症しやすいと考えられています。しかし、慢性気管支炎にはなってしまいます。労作性呼吸困難(息切れ)で年齢の所為だと思っている方で喫煙期間の長い人は呼吸器科の診察を受けることをお勧めします。また、2020年には世界の死亡率の第3位に上がってくる予測までありますので、侮らない方が賢明と思います。  

     COPDになった時の対処療法は、まず第一に禁煙ですがニコチン依存症の時などは気管支拡張薬など薬物療法で対応します。重症になると酸素療法、外科療法まであります。また、鼻から息を吸って口から倍の時間をかけてゆっくりと吐き出す“口すぼめ呼吸法”や腹式呼吸や横隔膜を鍛えるのも有効です。薬だけに頼らず体内環境を整えるも必要であり、普段から簡単にできるもので実践していきましょう。